香港・マカオへ ― 授賞式と街で感じたこと
12月のはじめ、授賞式のために香港とマカオを訪れました。
その香港では、先月大きな火災が発生し、多くの尊い命が失われました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
DFA Design for Asia Awards 2025 授賞式
今回の旅の目的は、DFA Design for Asia Awards 2025 の授賞式参加でした。
「琴ヶ浜の渚」が Merit Award を受賞し、香港コンベンションセンターにて表彰していただきました。
写真にも映っているコンベンションセンターは、香港の海に大きく羽を広げるような屋根が印象的な建築。
対岸のビクトリア・ハーバーを臨みながら、アジア各国の受賞者が集い、とても刺激的な時間となりました。
M+(エムプラス)という新しい「器」
今回どうしても訪れたかった場所の一つが、M+(エムプラス) です。
ビクトリア・ハーバーを臨む西九龍文化地区に建つ、視覚芸術のための巨大な博物館。
アルファベットの逆T字のようなシルエットをもち、設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。
外壁を覆うルーバー状のスキンは、竹を思わせるようなリズムを持ち、近づいて見ると表情豊かで、素材感が強く印象に残ります。
写真のアップは、その立体的な外壁のディテール。
空へ垂直に立ち上がる黒い塔の存在感も圧倒的でした。
内部はアート、デザイン、建築、映像表現など、従来の枠に収まらない「視覚文化の大きな器」。
まさに都市スケールの展示空間で、香港という都市のエネルギーと響き合っているように感じました。
香港故宮文化博物館
M+のほど近くには、香港故宮文化博物館 もあります。
厳迅奇(Rocco Yim)による設計で、中国伝統建築を現代的に再解釈した力強い建築。
左右に大きく張り出した量塊と、そのスケールに身体ごと包まれるような感覚があります。
紫禁城の建築様式を背景に持ちながら、現代に生まれた新しい記憶装置のような建物でした。
香港の街角で感じたこと
写真のように、香港の街角にはR状の角を持つ古い集合住宅が多く見られます。
滑らかに丸められたコーナーが、車や人の流れと不思議に馴染み、柔らかな街並みをつくっていました。
また、どんな密集した環境の中でも、 緑がしたたるように“張り付いて”いるのが香港らしさ。
建物の屋上やバルコニー、わずかな隙間に木々が育ち、コンクリートの街に潤いを与えています。
自然と人工が拮抗しながら共存している、その力強さに胸を打たれました。
マカオ ― グランドリスボア を見上げる
マカオでは、街のどこからでも視界に入ってくるグランドリスボアが印象的でした。
まさに象徴的な存在で、住宅密集地の上に堂々とそびえ立つ姿は、都市のスケール感覚を大きく揺さぶります。
路地の生活感と、超高層ホテルの対比が強烈で、都市という生き物の複雑さを目の前に見るようでした。
旅を終えて
授賞式という晴れやかな機会と、火災という悲しい出来事。
建築はただ美しいだけのものではなく、暮らし、安心、そして記憶を支える存在でありたいと、改めて強く感じています。
2026年に向けて
年明けには東京での授賞式も控えており、嬉しいご報告が続きそうです。
海外でのプロジェクトについても動き始めており、また形になりましたら改めてお知らせできればと思います。
本年も大変お世話になりました。
温かく年末年始をお過ごしください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年12月27日
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