「琴ヶ浜の渚」2期工事が進んでいます。
アプローチの屋根形状も、いい感じに仕上がってきました。
外から見ると比較的おだやかな佇まいですが、
中に入ると一気にスケール感が立ち上がる建物です。
この建物は平屋建て。
そして内部の一番の特徴は、天井高 約6m80cmという、平屋とは思えない高さにあります。
屋根の勾配をそのまま空間に取り込み、梁や垂木のラインが、そのまま天井として現れる構成。
現場に立つと、空気が上へ抜けていくような感覚があり、数字以上の広がりを感じます。
内部のベッドスペースは、その他の空間より約80cm高く設定しています。
わずかな段差ですが、これによって空間に緩やかな上下関係が生まれ、同じワンルームでありながら、居場所の性格が自然に分かれていきます。
寝転がったときの視線、
座ったときの景色、
立ったときの抜け。
その一つひとつを想像しながら、床レベルを決めています。
そして、この建物のもう一つの大きな特徴が、南面の開口です。
南側はほぼ全面が開口となっており、どこにいても海が視界に入る構成になっています。
内部に立つと、
・作業をしていても
・腰掛けていても
・ベッドスペースにいても
常に海の気配が背景にある。
「海を見るための場所」ではなく、
「海と一緒に過ごすための建築」を目指しています。
2期工事では、1期で得た手応えを踏まえつつ、
空間の密度や居心地を、さらに深めていく工程が続いていきます。
現場の皆さんお疲れさまでした!
2026年01月10日
2025年12月27日
香港・マカオへ ― 授賞式と街で感じたこと
香港・マカオへ ― 授賞式と街で感じたこと
12月のはじめ、授賞式のために香港とマカオを訪れました。
その香港では、先月大きな火災が発生し、多くの尊い命が失われました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
DFA Design for Asia Awards 2025 授賞式
今回の旅の目的は、DFA Design for Asia Awards 2025 の授賞式参加でした。
「琴ヶ浜の渚」が Merit Award を受賞し、香港コンベンションセンターにて表彰していただきました。
写真にも映っているコンベンションセンターは、香港の海に大きく羽を広げるような屋根が印象的な建築。
対岸のビクトリア・ハーバーを臨みながら、アジア各国の受賞者が集い、とても刺激的な時間となりました。
M+(エムプラス)という新しい「器」
今回どうしても訪れたかった場所の一つが、M+(エムプラス) です。
ビクトリア・ハーバーを臨む西九龍文化地区に建つ、視覚芸術のための巨大な博物館。
アルファベットの逆T字のようなシルエットをもち、設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。
外壁を覆うルーバー状のスキンは、竹を思わせるようなリズムを持ち、近づいて見ると表情豊かで、素材感が強く印象に残ります。
写真のアップは、その立体的な外壁のディテール。
空へ垂直に立ち上がる黒い塔の存在感も圧倒的でした。
内部はアート、デザイン、建築、映像表現など、従来の枠に収まらない「視覚文化の大きな器」。
まさに都市スケールの展示空間で、香港という都市のエネルギーと響き合っているように感じました。
香港故宮文化博物館
M+のほど近くには、香港故宮文化博物館 もあります。
厳迅奇(Rocco Yim)による設計で、中国伝統建築を現代的に再解釈した力強い建築。
左右に大きく張り出した量塊と、そのスケールに身体ごと包まれるような感覚があります。
紫禁城の建築様式を背景に持ちながら、現代に生まれた新しい記憶装置のような建物でした。
香港の街角で感じたこと
写真のように、香港の街角にはR状の角を持つ古い集合住宅が多く見られます。
滑らかに丸められたコーナーが、車や人の流れと不思議に馴染み、柔らかな街並みをつくっていました。
また、どんな密集した環境の中でも、 緑がしたたるように“張り付いて”いるのが香港らしさ。
建物の屋上やバルコニー、わずかな隙間に木々が育ち、コンクリートの街に潤いを与えています。
自然と人工が拮抗しながら共存している、その力強さに胸を打たれました。
マカオ ― グランドリスボア を見上げる
マカオでは、街のどこからでも視界に入ってくるグランドリスボアが印象的でした。
まさに象徴的な存在で、住宅密集地の上に堂々とそびえ立つ姿は、都市のスケール感覚を大きく揺さぶります。
路地の生活感と、超高層ホテルの対比が強烈で、都市という生き物の複雑さを目の前に見るようでした。
旅を終えて
授賞式という晴れやかな機会と、火災という悲しい出来事。
建築はただ美しいだけのものではなく、暮らし、安心、そして記憶を支える存在でありたいと、改めて強く感じています。
2026年に向けて
年明けには東京での授賞式も控えており、嬉しいご報告が続きそうです。
海外でのプロジェクトについても動き始めており、また形になりましたら改めてお知らせできればと思います。
本年も大変お世話になりました。
温かく年末年始をお過ごしください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
12月のはじめ、授賞式のために香港とマカオを訪れました。
その香港では、先月大きな火災が発生し、多くの尊い命が失われました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
DFA Design for Asia Awards 2025 授賞式
今回の旅の目的は、DFA Design for Asia Awards 2025 の授賞式参加でした。
「琴ヶ浜の渚」が Merit Award を受賞し、香港コンベンションセンターにて表彰していただきました。
写真にも映っているコンベンションセンターは、香港の海に大きく羽を広げるような屋根が印象的な建築。
対岸のビクトリア・ハーバーを臨みながら、アジア各国の受賞者が集い、とても刺激的な時間となりました。
M+(エムプラス)という新しい「器」
今回どうしても訪れたかった場所の一つが、M+(エムプラス) です。
ビクトリア・ハーバーを臨む西九龍文化地区に建つ、視覚芸術のための巨大な博物館。
アルファベットの逆T字のようなシルエットをもち、設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。
外壁を覆うルーバー状のスキンは、竹を思わせるようなリズムを持ち、近づいて見ると表情豊かで、素材感が強く印象に残ります。
写真のアップは、その立体的な外壁のディテール。
空へ垂直に立ち上がる黒い塔の存在感も圧倒的でした。
内部はアート、デザイン、建築、映像表現など、従来の枠に収まらない「視覚文化の大きな器」。
まさに都市スケールの展示空間で、香港という都市のエネルギーと響き合っているように感じました。
香港故宮文化博物館
M+のほど近くには、香港故宮文化博物館 もあります。
厳迅奇(Rocco Yim)による設計で、中国伝統建築を現代的に再解釈した力強い建築。
左右に大きく張り出した量塊と、そのスケールに身体ごと包まれるような感覚があります。
紫禁城の建築様式を背景に持ちながら、現代に生まれた新しい記憶装置のような建物でした。
香港の街角で感じたこと
写真のように、香港の街角にはR状の角を持つ古い集合住宅が多く見られます。
滑らかに丸められたコーナーが、車や人の流れと不思議に馴染み、柔らかな街並みをつくっていました。
また、どんな密集した環境の中でも、 緑がしたたるように“張り付いて”いるのが香港らしさ。
建物の屋上やバルコニー、わずかな隙間に木々が育ち、コンクリートの街に潤いを与えています。
自然と人工が拮抗しながら共存している、その力強さに胸を打たれました。
マカオ ― グランドリスボア を見上げる
マカオでは、街のどこからでも視界に入ってくるグランドリスボアが印象的でした。
まさに象徴的な存在で、住宅密集地の上に堂々とそびえ立つ姿は、都市のスケール感覚を大きく揺さぶります。
路地の生活感と、超高層ホテルの対比が強烈で、都市という生き物の複雑さを目の前に見るようでした。
旅を終えて
授賞式という晴れやかな機会と、火災という悲しい出来事。
建築はただ美しいだけのものではなく、暮らし、安心、そして記憶を支える存在でありたいと、改めて強く感じています。
2026年に向けて
年明けには東京での授賞式も控えており、嬉しいご報告が続きそうです。
海外でのプロジェクトについても動き始めており、また形になりましたら改めてお知らせできればと思います。
本年も大変お世話になりました。
温かく年末年始をお過ごしください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年12月18日
琴ヶ浜の渚 二期工事|棟上げ
昨日と今日の2日間にかけて、「琴ヶ浜の渚」二期工事の棟上げを行いました。
おめでとうございます!
今回の建物で特に特徴的なのが、軒の出が約2m70cmある大きな屋根です。
一般的な住宅と比べてもかなり深く、外から見ると建物全体をやさしく包み込むような印象になります。
また今回の屋根は、一部R状の(曲線)形状としています。
実際のスケールで屋根のモックアップを製作し、形や納まりを現場で確認しました。
図面だけでは分からない「見え方」や「陰影」を、実物で確かめるためです。
直線だけで構成された屋根とは違い、 R状の屋根は光の当たり方や影の落ち方が柔らかくなり、 建物全体に穏やかな表情を与えてくれます。
棟上げを終え、これから屋根や外壁が仕上がっていく中で、 この大きな軒と屋根のかたちが、風景の中でどのように佇むのか。
完成に向けて、少しずつその姿が見えてくるのが楽しみです。
現場の皆さんお疲れさまでした!
おめでとうございます!
今回の建物で特に特徴的なのが、軒の出が約2m70cmある大きな屋根です。
一般的な住宅と比べてもかなり深く、外から見ると建物全体をやさしく包み込むような印象になります。
また今回の屋根は、一部R状の(曲線)形状としています。
実際のスケールで屋根のモックアップを製作し、形や納まりを現場で確認しました。
図面だけでは分からない「見え方」や「陰影」を、実物で確かめるためです。
直線だけで構成された屋根とは違い、 R状の屋根は光の当たり方や影の落ち方が柔らかくなり、 建物全体に穏やかな表情を与えてくれます。
棟上げを終え、これから屋根や外壁が仕上がっていく中で、 この大きな軒と屋根のかたちが、風景の中でどのように佇むのか。
完成に向けて、少しずつその姿が見えてくるのが楽しみです。
現場の皆さんお疲れさまでした!

